シャーマンマインの縞状鉄鉱層

シャーマン鉱山の縞状鉄鉱:ハイレイバリー鉱山学校

まえがき

今回はオンタリオ湖の北のテマガミ地域の縞状鉄鉱について書きます。地理的には『コバルトの銀とスノーボールアース』で紹介したコバルトの南に位置し、コバルトと同様にテマガミも火山活動によって形成された特徴的な地質なので記事にしました。スペリオル湖の『WaWaの縞状鉄鉱層』とは別のタイプの縞状鉄鉱層です。
テマガミの大自然は湖と森林が遥か彼方まで続き、遥か彼方まで水平線が見渡せる地域です。

テマガミの位置

カナダ オンタリオ州の北部にあり、東のケベック州との州境にあります。
テマガミの位置図

テマガミ地域について

テマガミはトロントの北380kmにある静かな町です。天然の針葉樹林が広がり、森林の中には大小の湖が数えきれないほどあります。北へ続く幹線道のハイウエイ11に沿って小さな街並みと昔からの家はありますが、人通りは少なく閑散としています。

テマガミの町の入口

小さな街ですが、ガソリンスタンドや中華料理のレストラン、スーパーマーケット、ホームハードウエア(道具や日用品の店)はあります。2016年の人口は802人です。人口調査が4年前のままで更新されていないのは、カナダが広大過ぎて小さな町の調査が進んでいないのだと思います。先住民族のオジブウエの人々や1903年に北部コバルトで金や銀などが発見されこの地に移住してきた人々、林業をはじめ様々な職業を持つ人が住んでいます。また、テマガミ湖の岸には別荘とボートの係留しておく倉庫があって、長期休暇を過ごしている人も見かけます。

テマガミの町の入口
ハイウエイ11とテマガミの町の入口
(左が南側の入口です)
テマガミの南方向のカリブー湖
町の南側の地平線
テマガミの北部
町の北部 電波塔の左に排水塔が見えます
湖の小島
湖の中の小島
湖の熊のオブジェ
熊のオブジェ
カナダ人は豊かなユーモアを持ってる人が多いです
熊の写真
凶悪な人相の熊
指名手配犯の写真のようです。笑。

駅もありますが誰も人はいません。2012年以降は定期的な旅客列車は走っていません。
以前はオンタリオノースランド鉄道 Ontario Northland Railway がありトロントからハンツビル、ノースベイ、コバルト、テマガミなど14の駅を経由して北部の町コックラン(Cochrane)まで乗客を乗せて走っていました。

テマガミの駅
テマガミの駅
駅舎の右に線路があります。止まっているのは他の人の車です。

テマガミの町に着いた時はインフォメーションセンターのすぐそばを、貨物列車が汽笛を鳴らしながら走っていきました。北部にはカークランドレイクの大きな金鉱山があり、そこに物資を運んでいるようです。

Temagamiの町を通る貨物列車

下の動画はインフォメーションセンターから貨物列車を映しました。機関車の汽笛が大きいのでご注意ください。

テマガミまでの移動

トロントから制限速度100km/hのハイウエイ400を北へ走ります。片側2車線の国道で快適に走れます。On Routeと言うレストエリアがキングシティーKing CityとバリーBarrieにあるので必ず寄りましょう。ティムホートンズ、スターバックス、バーガーキングなどのファーストフードの店と大きなガソリンスタンドがあり食事や用を足すことができます。もし、レストエリアに入らずOn Ruteを過ぎてしまったら、先のインターチェンジで降り近隣の町まで行かなくてはなりません。広大なカナダではインターチェンジが少ないです。また近隣の町と言っても意外に遠く、空腹やトイレを我慢しているさらに遠く感じます。我慢が出来なくなり、緊急にならないうちに必ずOn Routeに寄りましょう。

On Rute
On Ruteの建物 この写真はHWY401のトレントンのOn Ruteです。

On Rute化粧室は写真の出入り口から入り右側にあります。建物の構造は何処のOn Ruteも同じで、ファストフード店もだいたい同じような位置に並んでいます。
トロントからバリーまでの距離は109kmですが、バリーの手前でかなり渋滞することがあります。特に出勤と帰宅時間帯はバリーに出入りする車が多く、夕方は西のハイウエイ401から多くの車が流入するので大渋滞します。車が多いため、時折流れが悪くなって渋滞したり事故で大渋滞になることもあります。

king cityからBarrieのHWY400
BarrieからToronto方面のHWY400

バリーの北に分岐点があります。道路の左車線を走りハイウエイ11方向へ進みましょう。シムコ湖を右に見てオンタリオ州の道 ハイウエイ11を北東へ進みます。右車線はハイウエイ400へ分岐し西へ向かいます。

BarrieからOrilliaのHWY11Northです。
HWY11Northハンツビル付近

カヌーやキャンプで有名なアルゴンキン州立公園の分岐点になる町ハンツビルHuntsvilleを過ぎニピシング湖の東岸ノースベイ Northbayからさらに98km(約1時間)走ると、やっとテマガミの町に着きます。かなり遠いです。

Town of Temagami
手前のカリブー湖の向こうのがテマガミです。
左側(南)から右(北)へ進みテマガミの町へ入ります。町の向こう側の木がない部分にシャーマン鉱山のイーストピットが見えます。

シャーマン鉱山の場所

テマガミの町の中を過ぎて 北部の高い配水塔を過ぎたら右に標識が見えるので左折します。

テマガミ排水塔
町の北の配水塔
Sherman Mine1
HWY11の右に鉱山への標識があるので、見つけたら左折します。
テマガミ湖とシャーマン鉱山
テマガミ湖の北にシャーマン鉱山があります。

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シャーマン鉱山

シャーマン鉱山 Sherman Mine
1968年に操業し1990年に閉鎖された鉄鉱石の露天掘り鉱山です。
イーストピット、サウスピット、ノースピット、ウエストピット、タートルピットの5つのオープンピット(露天掘り)で鉄鉱石を掘り、敷地内の工場でペレットにして鉄道で輸送していました。ピーク時には300人以上の社員が働いていました。

シャーマン鉱山への道
シャーマン鉱山への道 Milne Sherman Rd
Gate of Sherman mine
普段は立ち入り禁止のシャーマン鉱山

シャーマン鉱山のパンフレット
パンフレットの表紙
稼働していたころのシャーマン鉱山とペレットの写真

鉱山跡地

入口から見た風景は、大きな鉱山施設だったことが想像できました。
シャーマン鉱山のペレット工場跡      貨車積み込み施設跡 シャーマン鉱山のズリ 

縞状鉄鉱の採集
ズリには沢山の縞状鉄鉱が!
地域の火山岩
縞状鉄鉱を形成した海底火山の岩 70,000万年前の氷河が地表を削り表面が滑らかになっています。

シャーマン鉱山の縞状鉄鉱

縞模様を示す赤いジャスパーとグレーの磁鉄鉱。
この日は雨になり、濡れた縞状鉄鉱の色が鮮やかです。
褶曲した縞状鉄鉱 赤いジャスパーが鮮やかな雨に濡れた縞状鉄鉱 シャーマン鉱山の縞状鉄鉱

石英と磁硫鉄鉱

アーセニックレイク層に含まれていた石英と磁硫鉄鉱です。
磁硫鉄鉱

ズリの縞状鉄鉱
ズリには多くの縞状鉄鉱がありました

シャーマン鉱山の時代背景

カナダの鉄鋼メーカーが鉄鉱石の国内供給のため資源調査を始めたのは1950年代になってからです。シャーマン鉱山で鉄鉱層が発見された当時、オンタリオ州政府は鉄鉱石の生産者に報奨金を提供していました。しかし当時のカナダにはアメリカからもっと安いメサビ山脈の鉄鉱石が供給され、大恐慌の時代でもあったため、鉄鉱山を開発して鉄を生産することにオンタリオ州政府は関心がありませんでした。またテマガミ北部のコバルトで銀や金が発見された事も、鉄鉱石の鉱山に関心が薄かった理由でした。
シャーマン鉱山の名前は、カナダの鉄鋼業界の有名な先駆者であるフランク・アルバート・シャーマンFrank Albert Sherman(1887-1967)にちなんで名付けられました。
この鉱山はコバルトより北にあるカークランド湖湖畔のアダムス鉱山と連携して運営されており、アダムス鉱山の鉱石が埋蔵量の枯渇に近づいたとき、シャーマン鉱山も閉鎖することが決定されました。現在は自治体による道路工事用の砕石の供給源になっています。

ペレット化プラント

シャーマン鉱山では鉄鉱石を粉砕し、磁気分離と脱水を行い、粘結剤のベントナイト*と組み合わせ64%の鉄を含む粒状のペレットが作られました。
ペレットの写真
ペレットは乾燥され1,315℃で熱硬化され、ロータリーキルンで冷却されてベルトコンベアで積載サイロに運ばれました。このような粉砕、濃縮、ペレット化は自動化されて中央制御室から監視されていました。
2,200万トンを超える鉄鉱石ペレットを生産したシャーマン鉱山は、北米で最初の自己流動性ペレット(ペレットに砕いた石灰石とドロマイトを配合した)を生産していました。この鉄鉱石ペレットは銑鉄や鋼を製造する高炉で使用するための世界標準となりました。
ベントナイト*粘土鉱物のモンモリロナイトを主成分とする岩石

鉄鉱石のペレットはオンタリオ ノースランド鉄道とカナディアンナショナル鉄道(カナダの国鉄)を経由し、カバーされた鉱石貨車で運ばれました。毎日91万トンのペレットが、オンタリオ湖の西のハミルトンのDofasco*(ドファスコ)製鋼プラントへ運ばれ消費されました。

*Dofascoはのちにアルセロールミタルの子会社になり現在はArcelorMittal Dofascoになっています。

シャーマン鉱山の地質

シャーマン鉱山の鉱鉱床は2つの平行な北東から南西方向の地層の中にあり、スペリオル地質区 アビチビ準地質区の南端のテマガミグリーンストーンベルト内にあります。テマガミグリーンストーンベルト Temagami Greenstone Belt は、北部にある古い珪長質の火山岩の岩株と、南部の火山砕屑性堆積岩に貫入した新しい苦鉄質の貫入岩体体で構成されています。テマガミグリーンストーンベルトには、いくつかの貴金属*および卑金属*の堆積物が含まれています。
*貴金属 Precious Metal 金、銀、白金などの希少で酸化されにくい金属
*卑金属 Base Metal 鉄、亜鉛、アルミニウムなどの酸化されやすい金属

シャーマン鉱山の縞状鉄鉱層

シャーマン鉱山のノースピット地域の縞状鉄鉱層は28億~25億年前の新始生代のもので、鮮やかな赤いジャスパーと磁鉄鉱の層を示しています。
ジャスパーと磁鉄鉱と少量の炭酸塩層や硫化物層で構成され、火山砕屑性の堆積物と共に鉄鉱層が出来たと考えられています。
縞状鉄鉱層は、幅76メートル、長さ600メートルです。鉄層は、1 m(3.3 ft)〜2 m(6.6 ft)から150 m(490 ft)以上の厚さです。

縞状鉄鉱層の形状

縞状鉄鉱層のサンプルは形成時の地質環境を示しています。

縞状鉄鉱層の形態
シャーマンマインで採集されたサンプル

a.変化の無い層序 b.断層 c.流されたり削られた斜交葉理
d.浸食部分に表面に堆積した礫 e.収縮亀裂(黒色の層)・乾燥ひび割れ(二酸化ケイ素の乾燥?)
f.部分的な引っ張りと地溝状の崩壊 g.非対称のチャートレンズ h.剪断された褶曲

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シャーマン火山

シャーマン鉱山の西に、火山があったことを示唆する地質的な特徴が数多く発見されています。 タートルレイクとリンクレイクの間には2つの珪長質溶岩流の露頭が存在し、火山噴出口がリンクレイクの西端に存在したと考えられています。また鉱山の敷地内に露出している長石-斑岩の火砕堆積物の中にギザギザの珪長質凝灰岩があります。

流紋岩質角礫岩

流理構造を持つ流紋岩質角礫岩 Rhyolite Breccia がフィンレイソンポイント州立公園 Finlayson Point Provincial Park のテマガミ湖の岸に露出しています。
流紋岩は70%前後の珪酸分を持つ粘り気が強い珪長質火山岩です。シャーマン鉱山や火山の位置はフィンレイソンポイント州立公園の北側です。

礫を含む流理構造のある流紋岩 Temagami Greenstone Belt Rhyolite Breccia

枕状溶岩

35億年前に海底で噴出し堆積した枕状溶岩 Pillow Lava がテマガミ地区の南のコバルト地区 Cart Lakeのそばにあります。
70,000年前のウィスコンシン Wisconsin 氷河に削られて表面が滑らかになっています。
枕状溶岩

ローレンタイド氷床

258.8万年前にカナダ全土をおおっていた巨大なローレンタイド氷床(下図)が溶け、幾つかの氷河に分かれて地表を削りながら流れました。ウィスコンシン Wisconsin 氷河はその中の一つです。
ローレンタイド氷床

グリーンストーンベルト

グリーンストーンベルトは、始生代から原生代の安定陸塊の花崗岩と片麻岩の岩体の間に見られます。
変成した苦鉄質から超苦鉄質の火山岩類とそれに関連した堆積岩を含む地層です。グリーンストーンベルトを直訳すれば緑色岩の帯状地です。火山岩 苦鉄質岩を構成する緑色鉱物の緑泥石 chlorite, アクチノ閃石 actinolite, 角閃石 amphiboles です。グリーンストーンベルトは数十キロから数千キロメートルの長さを持ち多くの岩石ユニットで構成されています。花崗岩体や片麻岩よりも、噴出し堆積した火山岩類の変成や状態から読み取れる古地質イベントの情報が始生代の地質史の解明に役立っています。

グリーンストーンベルトは、一般的に下図のような堆積構造になっています。図は地理的な区分として『Chambers』 『Strathy』 『Briggs』 『Strathcona』に分けられています。堆積の順序は、下から基盤岩の花崗岩由来の片麻岩の複合岩体と貫入岩、橄欖岩や枕状溶岩、枕状溶岩、タービダイトや頁岩などです。

グリーンストーン ベルトの堆積構造
グリーンストーン ベルトの堆積構造

アビチビ グリーンストーン ベルト

カナダ オンタリオ州の北東部とケベック州の州境には広大な Abitibi Greenstone Belt があり、金や銀、銅、亜鉛の鉱山が数多くあります。特に Kairkland Lake地区や Timmins地区の金鉱山は、累計で1億オンス(280トン+350g)の金を生産した世界的な産出地です。また、Lake Abitibiには南から西にかけて Munro Esker (Esker=堤防上の地形)と呼ばれる帯状地域があり、キンバーライトパイプやダイク、キンバーライトの巨礫も数多く発見されている地域です。アビチビ グリーンストーン ベルトは『コバルトの銀とスノーボールアース』にも説明を載せています。

テマガミ グリーンストーン ベルト

テマガミグリーンストーン ベルト
Temagami Greenstone Belt
テマガミ グリーンストーン ベルト(TGB)は、カナダ オンタリオ州北東部のテマガミ地域に分布する、27億4,000万年前の小さなグリーンストーンベルトです。テマガミ湖の北東に位置し、幅は25 km(16マイル)、長さは32 km(20マイル)で、火山複合岩体は玄武岩から流紋岩までの組成を持つ変成を受けた火山岩で構成されています。
変成火山岩類はテマガミ グリーンストーン ベルトの東北東の方向に形成され、一部は堆積岩起源の変成岩で覆われています。流動的な溶岩の噴火から、粘性を持った溶岩の爆発的な噴火まで、さまざまな噴火様式を含むいくつかの火山活動で形成され、バソリス(底盤 マグマだまり)、岩株、貫入岩、火山複合岩体、層状貫入岩、変成帯が残っています。この地域は全体に枕状溶岩が見られ、水中で膨大な溶岩が噴出したことを示しています。
テマガミ グリーンストーン ベルト

テマガミ グリーンストーンベルト
テマガミ グリーンストーンベルト

3つの深成岩体

Chambers-Strathy Batholith

チャンバース-ストラシー バソリスは、27億6,690万年前の大きな花崗岩バソリス複合体です。 珪長質溶岩流と火砕堆積物、苦鉄質火山岩を含んでいます。上の概略図では左上(北)に位置してます。このバソリスの巨大な本体はもっと北にあり、南側の一部がこの地域に表れています。ピンクから灰色の石英のモンゾナイトや花崗閃緑岩で構成されています。

Iceland Lake Pluton

アイスランド湖深成岩体は、ブリッグスBriggsとストラスコーナStrathconaの町にあります。 閃緑岩や石英モンゾナイトで構成されています。 年代は約27億3,600万年と推定されており、流紋岩溶岩を噴出した火山のマグマ溜りであったと考えられています。 この深成岩体は若いヒューロニアン スーパーグループの堆積物に覆われています。Iceland Lake 深成岩体は27億3,600万年前のもので、アビチビ グリーンストーン ベルトの深成岩体よりも古いです。アビチビ地区のカークランドレイクの北120kmの深成岩体はは26億7,500万年前のものです。

Spawning Lake Stock

スパウニング湖岩株は、花崗岩の岩株で、ブリッグスタウンシップとチェンバーズタウンシップにまたがっています。

Gowganda Formation

上記の3つの岩体よりも、かなり新しい22億年前のゴウガンダ層の前期Coleman層
35億年前に海底で噴出した枕状溶岩の上に、22億年前の氷河で運ばれた礫が落ちた地層です。70,000万年前のウイスコンシンWisconsin氷河で削られて滑らかな表面になっています。下の2枚の写真はゴウガンダ層です。

Gowganda Frmation
氷河で削られたゴーガンダ層
Gowganda Frmation
ゴーガンダ層の露頭

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縞状鉄鉱層とテマガミ グリーンストーン ベルト

縞状鉄鉱層付近のテマガミ グリーンストーン ベルトは地理的な区分のストラシー タウンシップStrathy townshipの中にあります。
北西部の古い火山岩と南東部の比較的若い火山岩に含まれ、どちらも珪長質から苦鉄質の火山岩で構成されています。

若い火山複合体

下の図は、上の概略図のAの部分を詳しく描きました。テマガミ グリーンストーン ベルトのAの部分は苦鉄質の火山岩類で構成されるベルト状の地域です。

シャーマン鉱山周辺の地質
テマガミ グリーンストーンベルトのAの詳細図シャーマン鉱山周辺の地質

A. Arsenic Lake Formation

一番下にある地層のアーセニックレイク層。
ソレアイト玄武岩の溶岩流や深い緑色で鉄分が多いバリオリティックVariolitic*溶岩流と、チャート-磁鉄鉱の縞状鉄鉱層、チャート-黄鉄鉱-磁硫鉄鉱の縞状鉄鉱層で構成されているが、この2種の縞状鉄鉱層は最下位にあり、シャーマン鉱山の西ピットと北ピットではこれらの鉄鉱層を掘っています。
バリオリティックVariolitic* Varioliteバリオライトと呼ばれる白いvarioleの斑晶を持つ特徴的な火山岩。varioleの斑晶は0.05cmから5cmの繊維状の斜長石や輝石が球状になったものです。

B. Link Lake Formation

リンクレイク層。カルシウムやアルカリ金属を豊富に含む苦鉄質*から中間の成分を持つ火山岩の溶岩流と、カルシウムやアルカリ金属を豊富に含む成分から珪長質*への成分をもつ溶岩流と火砕性火山岩で構成されています。苦鉄質* 濃い緑色や黒色でマグネシウムや鉄に富む 珪長質*白色で長石や石英の成分に富む。

C.チャンバース-ストラシー バソリス

珪長質から中間質の貫入岩

D. Turtle Lake Formation

タートルレイク層。破砕性堆積物と鉄層。下層からエピクラスティック*火山性凝灰岩の礫岩層、タービダイト turbidite*堆積物、厚さ30mのチャート-磁鉄鉱の縞状鉄鉱層で構成されている。
エピクラスティック epiclastic* 火山礫や(類質岩片)と火山の基盤礫(異質岩片)から成る火砕岩は、噴火の初生堆積物ではなく、既に堆積していた未凝固の地層が土石流などで二次的に運ばれて再堆積したもので、エピクラスティック火山礫凝灰岩と呼ばれる。
タービダイト turbidite* 海底乱泥流の堆積物

ハイレイバリー鉱山学校

ハイレイバリー鉱山学校 Hayleybury School of Minesは、テマガミやコバルトより北のティミスカミング湖の西岸の町ハイレイバリーにあります。
Northern College of Applied Arts and Technology と言う学校の4つのキャンパスの中のHaileyburyキャンパスです。他にはTimmins、Moosonee、Kirkland Lakeキャンパスがあります。

Hailybury ハイレイバレイの町 ハイレイバリー鉱山学校の表示板

ハイレイバレー鉱山学校

2500オンス銀鉱脈
2500オンス銀鉱脈

下の2枚の写真は佐渡金山の絵巻と解説書です

佐渡金山絵巻 佐渡金山絵巻解説

ロックウオークパーク

私はこれまでにウオータールー大学、サドバリー、産総研地質標本館など野外に置いてある岩石を見ましたが、ハイレイバレイ鉱山学校のロックウオークパークは岩石の数が多く特徴のある岩石が豊富でした。

RockWalkPark1

シャーマンマインの縞状鉄鉱

Banded Iron Formation Banded Iron Formation

Banded Iron Formation Banded Iron Formation Banded Iron Formation Banded Iron Formation

Gowganda Formation Pillow Lava Pillow Lava 横ずれ断層を受けた岩石 銀鉱石の説明 銀鉱石

マタチェワン斑状輝緑岩 Matachewan Porphyry

Matachewan斑岩斑状輝緑岩は、ダイクスワームを形成した岩石で白い繊維状の斜長石が含まれています。
24億5,000万年から24億7,000万年前の原生代初期の火山活動中に形成された岩です。

Matachewan Porphyry Matachewan Porphyry Matachewan Porphyry

この岩は、Matachewan Dike Swarm の一部としてスペリオル地質区に貫入しました。このダイクの密集地区は、地球で最大のプルーム生成の放射状のダイクの集合体の1つであり30万km²以上に広がっています。 サドバリー地域から放射状に広がる3つの小さな群で構成されています。
直径1,000 kmのマントルプルームが脆弱性を持つ地殻を放射状の亀裂をつくりながらカナダシールドを押し上げました。 マントルから分離したマントルプルームが、上方に移動し地殻付近でダイクを形成します。 プルームはオンタリオ州バリーBarrieの北を中心とした地殻を押し上げ、北西に向かう亀裂を形成し、プルームから輝緑岩や他の火山岩類を貫入させました。

ダイク スワーム
オンタリオ州のダイクスワーム

あとがき

カナディアンシールド
カナディアンシールド 左が若いカナディアンロッキーで右がアパラチアン山脈です。

北米大陸を占めるカナディアンシールド(カナダ楯状地)は、幾つかの古大陸が合体して出来ました。その形成途中には、北米東岸に1万メートルを超える山脈がありましたが、数十億年の時間の中で地球全体が氷に覆われるスノーボールアース時代の氷河で浸食され平原になっています。コバルトやテマガミ地域は、スペリオルクラトンが形成される過程で古大陸ケノーランドが衝突した地域です。大陸同士の衝突で巨大なマグマが上昇し、激しい海底火山活動が起き、膨大な火山噴出物が堆積すると同時に数多くの金属鉱床が出来ました。広大で水平線が続くカナダの大地は、数十億年にわたる大自然の大きな力が働いて造られています。

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